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“し”のひとりごと

日南の師走の風物詩、さとねり(砂糖づくり)始まる
もはや、手作りを超えた技の逸品。匂いと目でつくる昔ながらの砂糖。

今年も、日南の「さとねり」こと、黒砂糖づくりが始まった。11月30日、さとねり小屋を訪問。この日は、「練り合わせ」といういわゆる、今年最初の状態を見る試験的なつくり。
簡単につくり方を説明すると・・・
①刈り取ったさとうきびを機械に通してしぼり汁をとる。
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②釜にうつして煮詰めてる。
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煮ていくと、このように「あく」とよばれる不純物がでるので、丁寧に取り除いていく。
③次ぎに焼いた貝殻の灰を入れてさらに不純物を取り除く。
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これは、釜からお椀一杯分を取り出し、先ほどの灰を入れて沈殿状態を見て、釜に入れる灰の量を決める作業。(写真は、その量を判断する長鶴さん“この見極め”ができるのは、他に平島さんと2人ほど)
④不純物を取り除いた汁を最終工程へ
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いよいよ、煮詰め、ねりこみを行う最後の釜へ移す。(釜は1から3番までの釜を横に並んでいて、順番に移していき、釜が空いたら、絞り汁を入れてという具合に効率よく行うようになっている。ここの場合は、3個の釜が2列に並んでいる)
⑤いよいよ、最終段階
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ご覧のとおり、火元に一番近い釜でイッキに薪を大量に入れて炊きあげる。この時には、あたり一面に甘い香りと湯気がもうもうとたちのぼり、緊迫した時を迎える。
この時、釜の中に顔を近づけ、「匂いと音」で出来上がりを判断する。
⑥さとねり
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ここだ、と思ったところで、イッキに火を止め竹の棒で力いっぱいかき混ぜると、トロトロ状態になっていく。いわゆる、この作業から「さとねり」と呼ばれている。
⑦出来上がり
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出来上がったものを、壷に移し少しさましてから箱詰めをしてできあがり。ここまでで、実に6、7時間以上の時間を要す。この日は、380kgのさとうきびから、約30箱の黒砂糖が出来上がる見込み。

ちなみに、12月10日ごろまで中休みはあるものの、昼夜を問わずこの作業が繰り返される。この日は、東郷小学校の4年生が見学。(見学は自由だが、作業する方の邪魔にならないように)
本当に昔の砂糖づくりは大変だ。
フォトギャラリー
“し”のひとりごと_d0114583_1123920.jpg「さとねり小屋の内部」昭和初期に建てられたため、非常に低く頭をぶつけないように注意。





“し”のひとりごと_d0114583_1145157.jpgオレンジ色のやわらかい光りと甘い香りが暗闇に漂っている。





“し”のひとりごと_d0114583_1162748.jpgこのパッケージに入って、近くの商店などで販売されている。一箱:3,000円程度。直接買われてもOKであるが、非常に数が少ないため、12月中には姿を消す。問)風田製糖組合(代表:長鶴さん℡0987-23-8340)※長鶴さんいわく、今年のさとうきびは、台風等の影響もなく良く育ったと。



ちなみに、色々な料理の隠し味、おもちの上にのせて焼いてもOK。私は、焼酎にひとかけら入れて飲むのも好きである。(かき混ぜてはダメ)

さぁ~幻の逸品めしあがれ
購入先①山野水産(0987-24-0366)
     ②王子生協(0987-23-4649) 他

by fwhk4933 | 2007-12-03 11:18 | “し”のひとりごと  

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